音楽科声楽専攻総合音楽課程23回生:草野あきこさん(旧姓:森昭子)

 

私は音楽科を卒業しましたが、今は、児童文学を書く仕事をしています。
物語を書こうと思ったのは、読書が好きだったこと、小学校で日記を毎日書いて提出する宿題があったこと、そして四年時の担任の先生が日記を読み、「文章を書くのが上手」だと褒めてくれた言葉がずっと心に残っていたからです。
2015年に『おばけ道、ただいま工事中!?』という作品で福島正実記念SF童話賞を受賞しデビューしました。とても光栄なことにその作品で、第四十 九回日本児童文学者協会新人賞を受賞することができました。

児童文学作家になったことで文章を書くこと以外にも世界が広がり、様々なことに携わる機会が増えました。
地域に新設された幼稚園の園歌の作詞、地元の図書館や小学校でのお話し会、それから2016年の福岡女子短期大学「社会人入門」に招いていただきました。

短大時代にも図書館へよく通っていたのですが、児童文学賞を受賞したことで、短大の図書館関係の方から声をかけていただいたのです。おかげで若々しい後輩たちの前でお話をすることができ、パワーをもらいました。こういう形で母校とご縁があるなんて、うれしい限りです。
クラス一おとなしかった子ども時代の私に、将来、本を書いたり講演会をしたりすることになるよと教えたら、きっとびっくりするでしょう。
短大の指揮の授業で、先生から「指揮棒の振り方で性格が分かる。あなたは気が弱い」と言われ、ちょっとカチンと(すみません。でも当たってました)きたことが思い出されます。
先生、もう一度、私の指揮をみて下さい! 少しは強くなっているんじゃないでしょうか。
2018年に出版された『魔女ののろいアメ』(PHP研究所)は、2019年の全国読書感想文コンクールの課題図書に選ばれ、たくさんの子ども達に読んでもらうことができました。魔女シリーズは続き、2020年の春には第三弾が出版される予定です。

それより少し前の2月には、うちの犬たちがモデルになった「ジェンと星になったテリー」(岩崎書店)が刊行されます。

本を書くうえで、子ども達が「おもしろい」といってくれることが一番だと思っています。子ども達が喜んでくれる作品を書き続けていくことが、これからの長い夢です。