文科国語国文専攻国文司書課程17回生(1984年卒):下田みのぶさん(旧姓:山口みのぶ)


(写真中央が下田さん)

先生方、卒業生在校生の皆様お元気ですか?卒業して36年が過ぎた現在は、地元熊本県芦北町の会社で経理の仕事をしています。
月に一度短歌教室に参加して、好きだった文章を書くことを忘れないようにしています。

 毛嵐(けあらし)をまとえる岸辺船洗う若き漁師のゴム長の青

念願だった県歌人協会の賞を今年いただくことが出来ました。(新型コロナの影響で表彰式は中止になりましたが)
3回応募して、かすりもしなかったので、とてもとても嬉しかったです。

そんな中、令和2年7月、未曽有の豪雨災害に遭い、職場は被災し、元同僚を土砂崩れで亡くしました。

(写真は熊本県芦北町の水害当時(上段)と復旧後(下段))

やがて1年になろうとしていますが、まだまだ町内は解体工事や土砂運搬の真っ最中です。いつどこで、だれが被災するかわかりません。くれぐれもお気をつけください。短大時代の仲間からもたくさんの励ましの連絡をもらいました。
水渦の短歌も何首もつくりました。 日々の生活の中で、詠草の題材になるものがないか、そしてまた、認知症予防にと、鈍くなってきている頭と、感性を働かせ、これからも続けていきたいと思います。

文科国語国文専攻国文司書課程23回生(1990年卒):日野光里さん(旧姓:野村光里)

前回リレーブログに登場いただいた、草野あきこさん(旧姓:森昭子)より
「私と同級生だった野村光里さんがゲームのシナリオライターをしたり電子書籍を出したりと多方面で活躍しています。日野光里という筆名で、卒業生のなかでも、珍しい経歴の持ち主だと思います。」
と、ご推薦をいただきました。
草野あきこさんが2015年に『おばけ道、ただいま工事中!?』という作品で、日本児童文学者協会新人賞を受賞された時も同行されたと日野さん。まさに、文章を書かれることを生業にされているお二人のリレー式のブログになりました。


(左・日野光里さん 右・草野あきこさん)

私の職業はゲームなどのシナリオライターです。乙女ゲームメインで作っています。コンシューマ、ソーシャル、ケータイアプリあわせて今までに作った数は百個以上あります。私が短大で、司書のコースを選んだのは、長く物語を書きたいという将来設計の中で、一番最適な職業だと思ったからです。
実際は卒業後間もなくシナリオライターしてのスタートを切ったので、物語を書く仕事に直接携わることになり30年が経ちます。

そして、司書資格を持っていたことで、PCゲーム「クローバー図書館の住人たち」の1作目、2作目のシナリオを書かせてもらえました。この作品の中には司書テストのコーナーもあり、いろんなミニ知識がクイズとして入っています。まさか、このような形で短大での勉強が役に立つとは思ってなかったので嬉しかったです。

パッケージ製品にきちんと名前を記していただける作品を持てるシナリオライターは少ないのでたいへん栄誉なことだと思います。また、声優さんの収録立ち合いも叶いまして、かねてから知っている有名な声優の方々を前にして緊張する貴重な経験をさせていただけました。

ゲーム以外にも漫画原作やYouTube動画のシナリオ、テレビドラマ原案、ドラマCD脚本、ゲームノベライズ等お話を創る仕事全般をお仕事としてやっています。

もともと出産後に仕事再開したときは、小さな子供がいるので在宅でお話を創る仕事を求めていたのですが、その在宅での働き方で講演をすることも何度かありました。宗像市などの自治体、ライター団体、九州大学さんや徳山大学さんなど教育機関でのキャリアトークと、いろんな場所で働き方の体験談を披露してきています。求人雑誌「あぱぱ」では働くお母さんの立ち場にたったエッセイを連載していました。

お仕事以外では怪談の賞を度々いただき、ポプラ社の「てのひら怪談」などにも私の作品がいくつも掲載されています。働く女性の地元情報マガジン「アヴァンティ」でも怪談をネット連載させて頂きました。
昨年はノベルジャムという小説ハッカソンにも選出されまして、そちらでは百物語を連載したことで個人賞をいただくことができました。

短大時代、古典の怪奇文学を学ぶ授業があり、怪奇ものが大好きだった私には幸せな時間でした。宿題さえも愛おしかった思い出があります。
2020年はまた新しい形での仕事が増える予定ですが、形や媒体は変われども、お話を創る仕事でこれからも頑張っていきたいと思います。

日野光里 note
 https://note.com/hinohinohikari